豊かな緑が印象的な街、東京都稲城市若葉台。5階建・全6棟の大規模低層住宅のガーデン・キュレーションの案件です。

マンション敷地内には、気軽に散策できるヒルサイトグローブ、芝生の広場があるグラスガーデン、シンボルツリーが印象的なセンタープラザなど、全6棟の住棟を豊かな緑で包み込むランドプラン・植栽計画が施されています。現在、Q-GARDENは、この物件の植栽アドバイザーとして年間契約しています。当初、植栽の枯れや生育不良など、様々な問題を抱えていたとのこと。そこで、このマンションを管理している管理会社より、具体的な提案を求めて、弊社に改善策のご相談をいただきました。

[BEFORE]

既存の図面では樹種に不明な点が多く、まず、新たに植栽図を作成することから取りかかりました。敷地内の樹木にナンバリングの札を付与し、そのナンバーを明記しつつ植栽図を整備しました。その情報を管理組合、管理会社、施工業者と弊社と共有することで、各エリアのそれぞれの樹木についての課題を滞りなく、間違いなく話し合うことができるようになりました。

次に、年間計画の見直しを行いました。薬剤散布のタイミングや刈込みのタイミングを、適切な時期へスケジュールを立て直しました。効果的な時期に処置を実施することで、これまでと同じ費用でも、植物への改善効果を一段と期待できるようになります。生育不良の樹木の土壌改良を段階的に行い、改良を施したエリアは、徐々に青々とした緑が戻るのを見て取ることができます。

このような改善処置を施した植栽への影響効果は、すぐに目に見えてわかるものではありません。一年単位の計画ではなく、長期的な視野をもって計画していくことが大切です。そこで、管理組合内に「植栽委員会」を立ち上げていただきました。管理会社とウォークスルーを実施した結果をふまえた報告書を弊社で作成し、それを関係者と委員会内で共有しました。そうすることで、現状の課題を具体的に把握し、管理組合は次年度の施策と予算立てに反映することができます。

こちらの稲城市のマンションでは、ウォークスルーを伴った「植栽委員会」の会議を年4回実施しています。季節ごとに変化する植栽を年間通じて観察することで、住民の方、管理組合、管理会社、施工会社等、それぞれの役割でより良い植栽を保つことができます。毎年、ガーデンキュレーターが伴走する継続的な活動と植栽に適した投資は、結果的にマンションの資産価値を上げることになるのです。