ガーデンキュレーター協会では、2月6日(金)に、第2回総会・シンポジウム、そして、7日(土)に、エクスカーションを開催しました。

昨年は、「創立の会」として、任意団体としての協会の創立をお伝えする会でしたが、今回は、事業協同組合として新たな一歩を踏み出したことを、皆さんにお知らせする会となりました。

第1部の総会では、最初に塾長である山本紀久先生(愛植物設計事務所 取締役会長)による基調講演が、「管理は芸術 Maintenance is art -小布施町総合公園を事例として―」と題して行われました。

植栽管理の基本や、なぜ「管理は芸術」と言われるのか?といったお話から、山本先生が数年前から関わっていらっしゃる、小布施町総合公園の事例を多数用いながら、具体的な手法を紹介して下さいました。これまでのガーデンは、「何もないところに新たに造る」ということが主流でしたが、これからの私たちの仕事は、既存のガーデンに対して、茂りすぎてしまったものを間引く・削ぎ落とす等を行い、リ・デザインしていくことだと思います。その実践例が、わかりやすく示されていました。

続いて、「デジタルツイン技術のガーデンキュレーションへの活用」と題して、協会の顧問をお願いしている鈴木雅和先生(筑波大学芸術系名誉教授)と、現在、共同研究を進めさせていただいている、株式会社ユニマット・リックの古賀大誠君に、昨年、The Day Osakaでテスト施工をさせていただいた事例をもとに発表していただきました。

UAV(ドローン)や、TLS(地上型レーザースキャナー)を用いて点群データを wの取得し、3次元データ化する技術は、土木分野ではかなり実用的になってきていますが、植栽管理の分野ではまだまだ事例が少ないのが実情です。しかし、将来のガーデンキュレーションの仕事には、きっと、欠かせなくなる技術だ dと考えています。今回発表していただいたのは、実用化に向けての途中段階でしたが、古賀君からは、誰でも使えるフリーソフトなども紹介していただけたので、興味のある方は、早速、試しに使ってみている方もいるかもしれませんね。

最後に、会長の小島より、「任意団体から事業協同組合へ」と題して、事業協同組合設立までの経緯と、組合員募集の呼びかけをさせていただきました。それと共に、「ガーデンキュレーター資格」の制度もようやく整え、応募や審査基準についての説明もさせていただきました。会場では、組合募集の(仮)申し込み書を配布させていただきましたが、早速、申し込みをしてくださった方が多数いらっしゃいました。事業協同組合理事長として、身の引き締まる思いです。

左から事務局長上原、鈴木先生、会長小島、塾長山本先生、古賀くん

第2部は、席のレイアウトも立食パーティー形式に変えて、シンポジウムを行いました。。ガーデンキュレーター協会では、シンポジウム(symposium)の語源である、古代ギリシャ語の「シュンポシオン(symposion)」=「共に酒を飲みながら食事をし、談話を楽しむ」に因んで、お酒を片手に、参加者同士が交流を楽しんでいただけるよう工夫しています。

今回は、「~GREEN×EXPO2027後の世界~ あなたにとって質の高い緑とは?」というテーマを、ラウンドテーブル方式で会話していただきました。6~7名で1つのテーブルに集まっていただき、1ラウンド行い、その半数のメンバーを入れ替えて2ラウンド目を行って、それぞれ「印象に残った一言」を持ち帰っていただくという方式です。単なる立食パーティーだと、名刺交換をするだけで終わってしまったり、逆に、知り合い同士で集まってしまったりすることが多いかと思いますが、参加者同士がランダムに出会える仕掛けにしたことで、今まで以上に多くの出会いや気づきがあったようで、参加者の方からも好評でした。

それぞれの思いや考えを聞きあう、豊かであたたかな時間

シンポジウムの後半は、3月に開催される福岡フラワーショーや、2027年開催の国際園芸博覧会のプレゼンテーションが行われ、にぎやかに幕を閉じました。

翌日(2月7日)は、エクスカーション(小旅行)です。ガーデンキュレーター協会では、総会に合わせて、遠方から宿泊でいらっしゃる方々に、翌日も充実した時間を過ごしていただけるよう、協会らしいメニューを考えるようにしています。

今回は、協会のアドバイザーでもある大橋尚美さん(戸田芳樹風景計画)のガイドで、みなとみらいの新港中央広場~日本大通り~山下公園を歩き、中華街でランチをするというコースでした。

大橋さんは、新港中央広場の計画や、このエリア一帯の管理計画の策定などに、長く、深く関わられている方です。

日本大通り。真ん中で解説されているのが大橋さん

新港中央広場は、実は公園ではなく、港湾局の管理地で、主な用途としては通り抜けるだけのエリアです。、そこに、ちょっと立ち止まりたくなる景色をつくったり、赤レンガ倉庫をバックに写真撮影ができるフォトスポットを想定し、赤レンガに合わせ色彩の植栽をしたりと、様々な工夫が凝らされています。

日本大通りは、横浜市民には見慣れた景色なのですが、イチョウの足元に、バラや、ラナンキュラス’ラックス’などの個人邸のガーデンで使用されるような品種が植栽されているので、他所の地域の方が来られると、「道路なのに、ガーデンみたい!」と驚かれます。

山下公園と山下公園通りの管理に関しては、公園と道路ということで、従来の縦割りの考え方だと別々になってしまいがちなところを、景色は一体として考えて、植栽管理しつつ、リニューアルしていくという手法を具体的に伺うことができました。

みなとみらいの街並みを背景に、都市部ならではの管理手法を学びました。

この日は、数年ぶりにしっかり雪が降るという天候だったのですが、約40名という、想像以上の人数の方にご参加いただき、歩いている間は、奇跡的に雪も止んでいました。それにしても、街歩きをするにはものすごく寒く、寒い中歩ききった後の中華街でのランチは、とても盛り上がりました。

熱気にあふれた懇親会。みんなで全国に素敵な緑地を増やしていきましょう!