管理の方針をたて作業計画に落とし込む
現場から戻ると、塾長の山本紀久先生の著書『造園植栽術』の関連する箇所を山本先生から直接解説を受けながら、ガーデンキュレーターとしての今後の具体的な作業の指針となるよう、方針を決めていきました。
上原さんは、「追分の森は多摩丘陵の端に位置し、その自然は、近隣の相模原台地の自然とは違う」と感じており、原風景である湿地環境に戻していきたいという思いがあります。トンボ池の名の通り、「トンボを指標にするとわかりやすい」とだんだん具体のイメージが見えてきました。
2日目の現場実習ワークショップでは、追分市民の森愛護会メンバーの方も、チェンソーや刈り払い機を持って参加して、講師・スタッフを含めて20名ほどでの作業となりました。大体の景観目標を共有したのち、水辺の草刈りチーム、法面の刈払いチーム、枯れ木や景観的に支障となる木を伐採・剪定するチームに分かれます。
「メンテナンス・イズ・アート」は、ガーデンだけでなく、里地里山にも共通する考え方です。
キャンプの目的の一つである「この実践を通して、里地里山をガーデンと見立ててガーデンキュレーターが関わり、地元の方と協力して、環境にあった順応型の管理をしていけたら、今後の市民の森の管理運営の一つのモデルになるのではないか?」という仮説を裏付ける成果が、早くも感じられたようで、期待が高まります。
トンボ池での実習は、再び冬にも実施予定とのことで今度の変化が楽しみです。継続することで、希少な植物や虫たちが再び姿を見せ、新たな種とも混在しながら、心がほっとする様な景観がつくられていくのではないでしょうか。
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