ガーデンキュレーターとは
ガーデンキュレーター協会では、公園や庭に加え、緑地や里山なども含む、人が関わって生まれた緑地空間を大きく「ガーデン」ととらえ、そのガーデン全体の“統括管理責任者”を「ガーデンキュレーター」と呼ぶことにしました。
【 「ガーデンキュレーター」は2024年に商標登録されました。】
欧米の著名なガーデンでは、そのガーデンを監理(マネジメント)する専門職が置かれています。キュレーターと呼ばれるその人の役割は、設計者の意図を汲み取った上で目標とする景観と乖離していないかを常にチェックし、管理(メンテナンス)を担うガーデナーへフィードバックする、というプロセスを統括することです。著名ガーデンの素晴らしさの背景には、そのような監理システムがあります。
しかし、わが国ではまだ、ガーデンの監理システムにキュレーターが位置付けられておらず、
- 設計当初のデザインコンセプトが踏襲される管理ができていない
- その時々の予算によって、計画的な管理が分断されてしまうことがある
- 植物をより良く活かすことよりも、人の都合を優先させて作業が行われている
というのが現状です。
このような問題を未然に防ぐには、植物に対する深い造詣と豊富な造園経験を持った専門性のある人材が必要で、それこそがガーデンキュレーターです。
造園では施工段階で、事業者、設計者、施工者などとの意思疎通がとても重要です。定期的なウォークスルーは、その具体的な手法で、施工の進め方や内容が設計意図に沿っているか、確認・調整するための現場立ち合いのことです。

日々成長する植物を扱う造園では、繁りすぎた樹木、衰退し始めた草本類の補強や、新たな下草の導入、病気や虫害の予防などをチェックして、具体的な対処を決めていかなければならないので、ウォークスルーは繰り返し継続的に行うことになります。
現在、一般的に行われているような、年間スケジュールで決まっている定例的な作業だけでなく、植物や景観の状態に応じた「順応型の管理を行えるように調整できる人=ガーデンキュレーター」が、今後ますます必要とされていくと確信しています。